2011年7月3日日曜日

初心者向けロボット学習カリキュラム6      戦略と戦術

戦略と戦術について
 両方とも軍事用語からの転用です。
 ここでは戦略は、大きな目標として、戦術は目標を達成するための方法とします。
 サッカーといっていますが、2対2の平面バスケットボールの試合と考えたほう
 がわかりやすいかと思います。
戦略と戦術の例
 野球を例に取ると積極的に点を取りに行くことを戦略とすると
 戦術としては、バントをする、盗塁をする等があります。
 これに対抗するには、内野の前進守備、牽制をする等になります。
考えて分かるとおり
 対抗する戦術によって結果は違ってきます。
 どのような戦術がありどのように対抗すべきか
 ロボカッパーには戦略を具体化するためのヘッドコーチとしての知識と技量が
 必要とされてきます。軍師ですね。

まずは、戦略を立てましょう。
 目標を「2輪車で勝つ」とします。あれもこれもと欲張りません。
 2輪車の利点と弱点を書き出します。
 タイヤを選べば直線スピードは4輪を上回る。
 軽量である。おしくらまんじゅうに弱い。
 4輪と比べて小回りがききません。左右の動きに弱い。

これらをもとにして戦術を考えます。
 ジャンプボール時に相手より早くボールのコントロールを奪いホールドして
 相手ゴールへ一騎がけする。
 スピードを生かして相手とボールの間に素早く割り込む。
 軽いので相手とぶつかってのパワー勝負は避ける。ボールを左右に軽くいなしていく。
 できるだけ遠くのボールを見つけられるようにして相手より早くアクションを起こす。
 遠くまで反応するボール・センサーを装備する。
 ロングレンジからシュートを打てるキッカーを装備する。
 2台でボールを挟んで(1台は後ろのセンサーで)全く同じ動きをさせて相手に対して
 壁とする。
 キーパーは相手のシュートを確実にクリアできるような位置にいつもいること。

あとは、戦術に基づいてプログラムを組んで1対1で4輪と試合をさせて実用となるかを
確認します。
修正が必要なのか、別の戦術が必要なのかを判断します。

スポーツ等は、定番の戦術と対抗策があります。
通常は、いくつもの試合をこなした経験に裏付けられています。
うちには、それがありませんのでロボカップにおいても千本ノック方式で戦術と対抗策の
知識を蓄積させます。
思いつく戦術を組み合わせて片っ端から実用となるかをプログラムを組んでトライさせます。
実戦で有用となるものだけを選りすぐります。
また全エリア・全方位とボール位置の組み合わせでゴール、ボール、機体がその位置に来たら
何をさせるかを決めていきます。
前回までの千本ノックで残ったコントロール・プログラムに組み込み、戦術プログラムとします。
これによってチャンスには確実に狙ったとおりの動きをすることが出来るようになります。
偶然に頼ってはいけません。流れを作り出して確実決めるようにします。
単純にボールを追うだけのロボットは、戦術をもったロボットにはかないません。

あと人間側にも課題があります。分析能力です。
ただ手に汗握って観戦するだけではダメです。状況を分析して対策を立て続けます。
自分の戦術がうまくいっているか、相手の戦術にはまっていないか。
何がうまくいって何がうまくいっていないかを考え続け対抗策をおこないます。
そして相手の弱点の洗い出しを行います。
相手の弱点がわかったら徹底的にそこを攻めます。
足にけがをしているとわかったら、足を蹴り続けます。
プッシングをアピールして退場させます。
そこまでして勝ちたいですか。
左右にボールを打ち分けて反応の鈍い方向から攻めるようにする。
相手が右回りの攻め方なら徹底して左側にボールを集めるようにして自軍コートに
ボールを運ばせないようする。
相手がキーパーとフォワードと役割を完全に分担していたらダブルチームで攻める。
どんなに相手が強くても1対2の状況を突破するのは難しいです。

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